2012年9月19日水曜日

物乞いビジネス

毎週日曜日は、ほとんどのお店は休みで、首都のロメはいつもの賑やかさを失い静かになります。
都心部はキリスト教の人が多いためか、朝は教会に行く人が多いです。
家にいてもどこからか賛美歌が聞こえてきてなんとも穏やかな休日といった感じです。
しかし、午後になると、downtownのビーチには人が集まり出します。
特に9月は夏休みシーズンらしく、
携帯会社による大規模なイベントが行われていたりするせいか、
特に人が集まるみたいです。
先週はそのイベントの最終日だったらしく、びっくりするぐらいビーチが人で埋めつくされていました。
ビーチを埋め尽くす人々


こうしたイベントや、市場など、人々、特に裕福な層や観光客が集まるところでは、
物乞いの子どもに出会ったりします。
汚れたヨレヨレの服を着た小さな子どもに袖を掴まれ、
食べ物やお金をせがまれるとなんとも断りにくいものです。
中には本当にストリートチルドレンだったり、孤児だったりする子もいるらしいですが、
一方で、両親が子どもに物乞いをやらせているケースもあります。
例えば、下の写真の緑色の服を来た女の子は、僕がビーチで見つけた物乞いで、
大人のもとに駆け寄って腕を掴んではお金をせがみます。


トーゴ人はみんなひとがいいので割りといい確率で女の子はお金をもらってました。
1回につき100CFAフラン(約15円)や200CFA(約30円)フランのコインですが、
それでも、10-15分くらいで2,3人からもらえるので、僕が1時間弱彼女を見ていた間だけでも、
おそらく2000CFAフランくらいは稼いでいたのではないでしょうか。
日本円に直すと300円くらいですが、こっちの物価で考えるとかなりいい額になります。
一緒に来たホストブラザー曰く、1日で10000CFAフランくらい彼女は手に入れるのではと言ってましたが、
こっちで1日にそれだけの額を稼ぐのはなかなか大変です。
なんとなく気づいてるかも知れませんが、当然この子にはちゃんと家族がいます。
肌の色が違う(おそらくnigeria人かniger人)ので、比較的簡単に見つかりました。
というかもう少し離れればいいのにというくらい近くにいたので
その証拠が下の写真です。

お兄さんはアボカドをはさんだパンや、アイスを食べてました。
あとで話を聞いた(というか、お姉さんのほうが美人だったのでホストブラザーが話しかけに行ったのですが笑)ところ、
両親もちゃんといる家族のようです。
今まで物乞いに簡単に物をあげてはいけないとわかっていたものの、
ここまではっきりと裏側が見られるとは思ってなかったので驚きました。
もちろん本当に孤児や捨て子の場合もあるので、難しい問題ではあるのですが。

お金をせがまれたトーゴ人の中でも、すぐに家族の存在に気づく人もいて、
そういう人も怒ったりせず、笑顔で子どもや家族に話しかけ、
子供や家族も悪びれる様子もなく笑っているのを見て、
トーゴ人の人の良さが伝わって来ました。
もしかしたらお金をあげてる人も、家族の存在に気づいているのかも知れません。

そういえば、先日お会いした日本人唯一のトーゴ長期滞在者の方が、
トーゴ人は人が良すぎるからビジネスの世界で隣国のガーナやベナンにうまいことやられて成長できないんだと言っていました。
実際、トーゴは、2010年の国民一人あたりの所得(GNI)がわずか$440、国際的に貧困の基準とされる、1日$1.25以下で暮らす人の割合も約40%にのぼる、非常に貧しい国です。
さらにGDPの国民一人あたりの成長率も、1970年から90年の20年間で、-0.6%、90年から2010年までの成長率も0%でした。つまり、この国の経済は1970年からストップしてるどころか少し交代しているのです。
暖かく優しい人の多いこの国ですが、ビジネスや経済の成長を考えると、それだけではいけないのかも知れません。
カメラを向けたら笑ってくれました


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